
「夜中に何度も起きるんです」
介護の現場やご家族から、
こんな悩みの声をよく聞きました。
室温には気をつけているのに、
布団をはいだり、寒がったり、蒸れて不快そうにしたり…。
いろいろ工夫をしても、
意外と見逃されがちなのが
「布団の中」🧐
高齢者のご家庭では、
頻繁に布団を干すことが難しいケースも少なくありません。
毎日、長い時間を過ごす「眠る環境」を
少しでも快適にできたらいいなと思います。
介護現場での経験から、
眠れないときに無理なくできる工夫をお話しします。
睡眠の質を高めるには「布団の中の温湿度」に注目

布団の中は別世界
「眠れない」と言っても、
- 寝つきが悪い
- 夜中に目が覚める
このような悩みを抱える方が多い印象です。
実は、睡眠の質に大きく影響するのは
「布団の中の環境」だと言われています。
質の高い睡眠、特に寝つきをよくするために、
日本睡眠科学研究所
布団と身体の間にできる空間の温度・湿度の数値を一定に保つことが重要であると
研究で明らかになっています
睡眠に関する研究では、布団と身体の間の温度が
参考:日本睡眠科学研究所
およそ33℃前後、
湿度が50%前後のときに、
途中で目が覚めにくい状態になりやすい
という報告があります。
人は一晩にコップ1杯分ほどの汗をかくとよく言われます。
布団の中って結構、蒸れやすいですよね。
特に湿度が高いと、脳が「不快」と感じ、
夜中に目が覚めてしまうことがあるのです。
つまり、体温より少し低めのこの温度帯が、
寝汗を防ぎながら体を冷やしすぎず、
安心して眠りにつくための助けになる、
と考えられているのですね。
布団の中の温度が睡眠に影響する話

赤ちゃんは眠くなると、手足が温かくなりますよね。
これは手足の血流を増やすことで、
体の中心部(脳や内臓など)の温度をゆっくり下げ、
眠りにつく準備をしているためです。
お風呂に入って体が温まると、
そのあとに眠くなるのも、同じ仕組みだと考えられています。
体の中心の温度は、
一度上がると、その反動で下がろうとする性質があります。
この「下がっていく流れ」が、
スムーズな寝入りにつながりやすいのです。
そのため、布団の中の温度が高すぎたり低すぎたりすると、
この流れがうまくいかず、
眠りが浅くなってしまうことがあります。
介護者ができる現実的な工夫は「布団乾燥機」と「除湿シーツ」

では、布団の中の環境は
どのように整えればよいのでしょうか。
まず大切なのは、
「寝る前に布団の温度と湿気をリセットすること」
人は寝ている間に汗をかくため、
布団の中には知らないうちに湿気がたまりやすくなります。
特に高齢者は体温調節がうまくいかず、
蒸れや冷えがそのまま眠りの浅さにつながることがあります。

お部屋の温度や湿度だけじゃないんだね
布団の中のこと・・考えたことなかった💦

そうですよね〜。
布団の中の温度や湿度は、
「寝床内気候(しんしょうないきこう)」と呼ばれ、
睡眠の質に大きく関わることが分かっているの。

へ〜。工夫すれば、ホントに効果あるの?

研究では、冬場の冷たい布団を
あらかじめ温めておくことで
寝付くまでの時間が15〜20分ほど短くなった
という報告があります。
また、布団の中の湿度を
ほんの10%下げるだけでも
夜中に目が覚めにくくなった、
というデータも。

あらかじめ温めるって布団乾燥機?
電気毛布の方が手軽じゃない?

電気毛布は寝付くまでの時間を短くはできますが、
つけたままだと途中で目が覚めたり、
温度や湿度の調整が難しいこともあるの。
結論
布団乾燥機や除湿シーツは
「眠りやすい環境を整える」ための
現実的な選択肢のひとつ
布団乾燥機は、寝る前に短時間使うだけで、
布団の中をほどよい温度と乾燥した状態に整えてくれます。
除湿シーツは、敷くだけで布団の中の湿気を吸収してくれるため、
夜中の蒸れが気になる方に向いています。
介護する側の負担も少ない方法です。
「布団乾燥機」 「除湿シーツ」を選ぶ時のポイント
布団乾燥機や除湿シーツは便利ですが、
高齢者に使う場合は、いくつか気をつけたいポイントがあります。
・操作ができるだけシンプルなもの
・タイマーが短時間で設定できるもの
・「高温モード」を使わなくても十分効果があるもの
高齢者の場合、布団が熱くなりすぎると
かえって寝づらくなったり、
不安を感じてしまうことがあります。
寝る直前に長時間使うよりも、
就寝30分〜1時間前に短時間使うくらいが安心です。
・ゴワつきの少ない素材
・敷くだけで使えるシンプルな形
・抗菌防臭防ダニ あると良い
マットレスとシーツの間に使用すると「違和感が少ない」傾向です。
おむつを使用している方は、どうしても湿度が上がりやすくなります。
除湿シーツを併用することで、理想の「50%」に近づくことができます。
まずは1枚だけ試してみる、
という使い方がおすすめです。
こんな方は試してみる価値あり
すべての方に必要、というわけではありませんが、
次のような様子がある場合は、
布団の中の環境を整えることで眠りがラクになる可能性があります。
- 夜中に何度も目が覚めてしまう
- 布団をはいだり、掛け直したりを繰り返す
- 汗をかいているのに「寒い」と訴える
- 朝起きたときに「よく眠れなかった」と話す
こうした場合、
薬を増やしたり、生活リズムを大きく変えたりする前に、
まずは布団の中の温度や湿度を見直す
という選択肢もあります。
私自身は、
「本人に負担をかけず、介護する側が調整しやすいもの」
から試すようにしています。その点で、使いやすいと感じたのが
・布団乾燥機
・除湿シーツ
といったタイプのアイテムです。
まとめ
夜中に目が覚める原因は、
年齢や体力のせいだけではありません。
布団の中の環境を少し整えるだけで、
「今日はよく眠れたね」
そんな朝につながることもあります。
できるところから、
無理のない方法で試してみてくださいね。

