「さっきも言ったのに…」とついイライラしてしまう、繰り返しの会話。
でもそこには、本人なりの理由や安心したい気持ちが隠れているかもしれません。
1. なぜ何度も同じことを言うの?【認知症による不安と記憶障害】
「それさっきも聞いたよ」
「何回同じこと言うの?」
ついイライラしたり、
絶望的な気持ちになることもありますよね。
繰り返しの理由は、記憶の障害だけでなく「不安」によることもあります。 また、 「覚えていたい」「迷惑をかけたくない」という気持ちの表れでもあるのです。
では、どう対応すればいいのでしょうか?
2. 結論:同じ返事でOK!「安心のループ」を作ることが大切
本人はわざと繰り返しているわけではありません。 多くの場合は、「安心したい」「確認したい」「覚えていたい」という気持ちの表れです。
例えば「今日は午後2時から体操に行って、その後おやつだよ」 これを10回聞かれても、10回同じように返してOK。
むしろ、「何度聞かれても変わらない答え」を用意しておくと、介護する側も気持ちが楽になります。 本人にとっては毎回が“初めて”なのです。
不安が強い時ほど、
ゆったり構えて寄り添う姿勢が大切です。
3. 介護現場で実際に効果があった「7つの対策」
- カレンダーで「今日の予定」を見える化
日付や予定を大きな文字やイラストで掲示すると、確認しやすくなります。
「今日は〇〇だよ」と何度も尋ねる方には特に効果的です。
”カレンダーに書いてほしくない”という方
には”ここならいいよ”を探して対応しました。 - メモを読んでもらう
予定や日課を書いたメモを
本人に読んでもらう習慣をつけることで、
安心感が生まれます。 - 「いつもの答え」を準備しておく
「今日何曜日?」の質問には、
「火曜日はデイサービスに行く日だね!
楽しみだね」と
前向きな情報で返すのがポイント。
「私が覚えているから大丈夫」
というと安心してもらえることがあります - 他の人に交代してもらう
もし可能なら、
別の家族やスタッフが対応するだけで、
落ち着くこともあります。 - 話題や行動を変えて気分転換する
昔の思い出に触れると気持ちが安定することもあります。 懐かしい歌、子どもの頃の話、散歩、買い物などで気分を変えてあげましょう。 - 笑顔になる“キーワード”を探す
故郷・昔のおやつ・大切にしていた物など、笑顔になる話題を探しておくと心が通いやすくなります。 - 介護者の心の持ちようを変える
イライラは認知症の本人にも伝わってしまいます。 「なぜ同じ話をしているのか?」という背景に思いを馳せることで、対応の質も変わります。

4. まとめ|同じ話の繰り返しには「安心」と「寄り添い」が効果的
高齢者が同じ話を繰り返すのは、
記憶障害だけでなく不安感の表れであることが多いです。
介護者側が、
- 「症状なんだな」と割り切る
- 笑顔になれる返事を準備しておく
- ゆったり受け止める
この3つを意識することで、
本人も安心し、介護も楽になります。
「同じ話でも、何度でも笑い合えたらいい」
——
時に笑い飛ばせる、そんな関係を目指せればいいですね。
コメント