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【歯磨きの悩み】「歯磨きしない」はサインだった|認知症の方が口腔ケアを嫌がる本当の理由

こんな時どうする?(症状別)

訪問先で、介護者さんからよく聞く言葉があります。

「歯磨きをしてくれないんです」
「歯ブラシをめちゃくちゃに動かすだけで……」
「昨日も、結局できませんでした」

申し訳なさそうに、困った表情で話される方が少なくありません。

入れ歯が合わなくなり外したままだったり、
入れ歯の手入れそのものができなくなっているケースもあります。

口から食べられなくなると、
体力や免疫力、全身の状態にも影響します。
だからこそ、本当は「早めに気づいて対処したい」問題です。

高齢者介護に関わってきた私自身の経験から、
なぜ高齢者の方は歯磨きをしなくなるのか
その理由と、
無理なく続けてもらうための工夫や、お助けグッズ
現場目線でお伝えしていきます。

なぜ高齢者は歯磨きをしなくなるのか「わがまま」ではなく、脳と感覚の変化

「歯を磨く」こと自体を思い出せなくなる

歯磨きを嫌がったり、うまくできていないのを見ると
「どうしてやらないの?」
「さっき言ったのに…」
そう感じてしまうことがありますよね。

でも、歯磨きを拒否するのは、ご本人のわがままではありません。

認知症の初期〜中期では、
歯磨きの手順を思い出す、集中して続けるといった
「実行機能」と呼ばれる脳の働きが低下していきます。

そのため
・歯ブラシを持つ
・歯に当てる
・順番に磨く
といった一連の流れを、最後までやりきることが難しくなります。

つまり、「歯を磨かない」のではなく、
「歯を磨くことを思い出せない・続けられない」状態なのです。
(※日本老年歯科医学会のガイドラインでも指摘されています)

痛みや不快感が「拒否」につながっていることも

もうひとつ大きな理由が、口の中の不快感

たとえば
・合っていない入れ歯
・口の中の乾燥(ドライマウス)
・口内炎や粘膜の痛み

こうした状態があると、
歯ブラシが触れるだけで強い違和感や痛みを感じることがあります。

その結果、
「磨かれるのが嫌」
「口に触られたくない」
という気持ちが先に立ち、拒否につながってしまうのです。

拒否されたときこそ「探偵の目」で

歯磨きを嫌がられると、
つい「磨かなきゃ!」と頑張ってしまいがちですが、
力で続けようとすると、かえって関係がこじれてしまいます。

そんなときは、
「なぜ嫌なのか?」を探る“探偵の目”で観察してみてください。

・動作をわすれてしまった?
・歯ブラシが合わない?
・口の中が痛い?理由が見えてくると、
次の一手(ケアの工夫)が、ぐっとやさしくなります。

歯磨きを忘れてしまうときに大切な3つの視点

① 正しさより「できること」を大切に

歯ブラシを持ってもらうことさえできれば、
あとはご本人が自分で歯ブラシを動かすことができる人が多いです。

ときどき、歯ブラシが迷子のように
あっちへ行ったり、こっちへ行ったり🌀。

「歯垢を落とす」という意味では、
完璧とは言えないかもしれません。

それでも
・自分で持てた
・自分で動かせた
・口の中が少しさっぱりした

それだけで、今日は十分◎
“できたこと”に目を向けましょう。

歯ブラシは慣れたものが良いですが、私も愛用している歯ブラシは👇
耐久性があり、硬さも選べてお勧めすると好評です。

\単価も安く、耐久性も抜群!/

② 声かけとタイミングを少し工夫する

本当は1日1回、できれば寝る前に磨いてほしい。
そう思っていても、
「あれ?」と思ったら、もう寝ていた…なんてこともありますよね。

そんな日は
「もう今日はいいかっ」
それで大丈夫。

歯磨きを習慣にするコツは、
いつもの生活の流れに“くっつける”ことです。

たとえば
・食事のあと
・お風呂に入ったとき
・朝起きてすぐ

声かけも
「歯を磨いて!」より
「お口、さっぱりしましょう」が◎

歯磨き=気持ちいい
このイメージができると、
自然と続きやすくなります。

③ 左手を使う刺激で、脳にちょっとしたスイッチを

歯ブラシを持つ手を、
いつもと反対の「左手」に変えてみるだけ。

それだけでも、脳への刺激は意外と大きいんです。

最初は
「なんだか変な感じ…」
でも、笑いながら遊び感覚でできるのがいいところ。

うまく磨こうとしなくてOK。
楽しめたら、それが正解です。

読者さん
読者さん

左手を使うと、何がいいの?

こもれび
こもれび

利き手でない手を使うことは、リハビリ分野でもよく行われる方法で、
 → 新しい神経回路を使う“脳のストレッチ”になるそうよ


・力の加減や手の動きを意識することで、
 運動+認知を同時に使う脳トレに

・脳は「新しいこと」を学ぶのが大好き
 新しい動作は記憶を司る海馬(かいば)を刺激し、
 神経新生(新しい神経細胞が生まれること)を促すといわれています。

歯磨きは「正しくやること」よりも、
続けられる形を見つけることが大切です。

その視点で考えたとき、
「歯ブラシがどうしてもつらい日」の
もうひとつの選択肢として知っておきたいのが、
オイルプリングです。

お助けグッズ:認知症専門医も勧めるオイルプリングとは?

オイルプリングは、
少量のオイルを口に含み、
クチュクチュとうがいをするセルフケア方法です。

歯をゴシゴシ磨くものではなく、歯の隙間や舌の細かい汚れを浮かせて、包み込むというお掃除の役割です。それとセイヨウハッカ油などを使っているので、
口の中を心地よく整えることを目的としています。

正直に言うと…続けやすさは人を選ぶ

私自身も、
「オイルってどうなの?」と思いながら試しました。

実際は意外とサラッとしていましたが、
習慣にするには少し工夫が必要だと感じました。
3日続けられたらかなり心地よさを感じるのではないでしょうか☺️

3分クチュクチュやるのは最初は大変に思いますが、顔もスッキリしますよ!
顔ヨガだと思うといいかも💕😄

オイルなので流さない方がいいみたい。
洗面台でやると流してしまうのでリビングでやってティシューにとるのがgood!

特に介護の現場では、

  • 吐き出しが難しい
  • 誤って飲み込むリスクがある

こうした点から、
誰にでも勧められる方法ではないと思いました。

それでも「考え方」はとても大切

オイルプリングを通して、
私がいちばん大切だと感じたのは、

「磨かなきゃ」ではなく
「気持ちいいからやる」

という発想でした。

ごま油(だけど加熱処理済なので、サラッとしている)にハッカとティツリーとユーカリ油が入っているので、後味がサッパリ✨✨

この視点は、
介護中の口腔ケアにも、
自分自身のセルフケアにも、
とても大きなヒントになります。

\認知症専門医も勧めるオイルプディングはコチラ/

私自身は、
この「気持ちいいから続く」という考え方をもとに、
ティーツリーを使ったうがいを取り入れています。

実際に続けてみた感想や、
介護の現場で使えるかどうかも含めて、
別の記事で詳しくまとめました。

\一度作れば簡単便利で歯周病に役立つ うがい薬についてはコチラ/
【セルフケア】歯磨きがつらい日に|私が続けているティーツリーうがいという選択

人に頼ることも

デイサービスでも口腔ケアに力を入れてくださっているところもあります。

訪問看護でも優先順位によりますがお願いできますし、
ケアマネを通じて訪問歯科の先生に診察してもらうこともできます。

お口の中のことは家族より他人の方が気を遣わなくて良い場合も。

上手に人に頼ってください。

まとめ

歯磨きを嫌がる理由は、
決して「わがまま」や「怠け」ではありません。

  • 歯を磨くことを思い出せない
  • 動作を続けるのが難しい
  • 口の中に痛みや不快感がある

こうした脳や感覚の変化が背景にあることが多いのです。

歯ブラシを少し持てただけの日もあれば、
声かけや見守りが必要な日もあります。
それは「できていない」のではなく、
その人なりに頑張っている姿でもあります。

家族だけで抱え込まず、
デイサービス・訪問看護・訪問歯科など、
使える手は遠慮なく借りてください。
お口のケアは、家族以外の方の関わりのほうが
うまくいくことも少なくありません。

完璧な歯磨きよりも、
続けられる形を見つけること。
そして、責めないこと。

今日の小さな関わりが、
食べる力と、暮らす力を守っていきます。

ご自身と、大切なご家族の歯を、
一緒に守っていけたら嬉しいです。

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