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デイサービスの一日の流れ 看護師が見ている7時間

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読者さん
読者さん

お母さん、あそこで何してるんだろう

朝、迎えの車に乗ってから夕方帰ってくるまで。
その間の親御さんの顔を、ご家族は一度も見ていないんですよね。

契約のときに、時間割の紙はもらったと思います。
9時30分 入浴、13時 機能訓練。あの紙です。

でも、あれを見ても親御さんの姿は浮かんでこないのではないでしょうか。

  • お風呂を嫌がったら、どうなるのか
  • 男性なのに、お風呂は大丈夫なのか
  • 輪に入るのが苦手な母が、レクの時間に一人でいないか

デイサービスで看護師として働いています。
中から見た一日を、時間割に書かれていないことも含めてお伝えしますね。

先にお伝えしておくと、一日の流れそのものは、
どこもだいたい同じです。
違うのは、その流れに乗れなかったときに何が起きるか。
ご家族が本当に知りたいのは、たぶんそちらのほうだと思います。

デイサービスの一日は、こんなふうに流れていく

私のいるところの、だいたいの一日です。

時刻できごと
8:00ごろ送迎の車が事業所を出る
9:00一日のはじまり
9:30ごろ入浴
11:30ごろお口の体操
12:00昼食
お昼のあと口腔ケア(順番に)
13:00ごろ体操・個別機能訓練
その後レクリエーション
15:00前後おやつ(15分ほど)
15:30ごろ帰りの支度・帰宅前のトイレ
16:00帰りのバスへ

事業所によって時間は少しずつ違いますが、9時に始まって16時に帰るという骨組みは、多くのところで似ています。

ここに送迎の時間が加わります。
つまり7時間プラス、車に乗っている時間ですね。

迎えの車は、8時にはもう出ている

玄関に揃えられた靴と鞄。デイサービスの送迎を待つ朝

この表には書かれていない時間があります。

送迎の車は、8時ごろには事業所を出ています。
そこから1時間ほどかけて、5人から8人くらいのお宅を順番に回るんですね。

「8時半から8時45分のあいだにお迎えに行きます」と幅をもたせて言われるのは、このためです。
何人目にご自宅へ着くかで、時間が前後しますから。

遅れているわけではないんです。その車には、もう何人か乗っています。

そして朝、いちばん最後に乗った方は、帰りがいちばん最後になります。

読者さん
読者さん

うちは帰りが遅い気がする…

たぶん、気のせいではありません。

お迎えは、ほとんどの場合、玄関先まで車で入れるところまで行きます。
この数分が、ご家族が親御さんの「デイに行く顔」を見られる、唯一の時間でもあります。

行ってらっしゃい、と手を振れるのはここだけ。
あとの7時間は、私たちがお預かりします。

着いてすぐの30分で、私たちが見ていること

到着して、上着を脱いで、席についたら。
看護師が体調をうかがいます。

体温は、全員お測りします。
「私、熱なんてないよ」とおっしゃる方も、全員です。

その日お風呂に入っていいかどうかを、ここで判断しているからなんですね。
私のいるところでは、そこは看護師が見ています。

体温、血圧、脈。そのあいだに顔色を見て、手足のむくみや皮膚の様子も見ています。

そして、毎回同じことを聞きます。

こもれび
こもれび

昨日はよく眠れましたか? 
お通じは出ていますか?

毎回です。
先週も聞いたじゃない、と思われる方もいます。
それでも聞くのは、毎回同じことを聞いていると、いつもと違う日が分かるからなんです。

そして、このアンテナを張っているのは看護師だけではありません。

お迎えが終わったあとに、「今日は足取りが悪いよね」
「今日はお顔に元気がないね」。
そういうことは、スタッフのあいだですぐに共有されます。

ここで気づいたこと、測ったことが、あの連絡帳に書かれています。

(お通じのことは高齢者の便秘 何日まで大丈夫? 受診を決める4つのサインでもう少し詳しくお伝えしています)

お風呂の順番は、到着順ではありません

9時半から、お風呂が始まります。
11時半ごろまで、2時間ほどかけて順番に入っていただきます。

午前中のフロアが静かに見えるのは、このためです。
お風呂の形は事業所の規模でだいぶ違うので、そこは見学のときに見せてもらってください
デイサービス見学 親が「ここにいていい」と思える場所)。

読者さん
読者さん

この順番、どうやって決まっているの?

こもれび
こもれび

到着した順でも、名簿の順でもないんです。

  • 移動や着替えに時間がかかる方
  • リフト浴の方
  • 排泄の状況などから、早めに入浴したほうがいい方
  • 血圧や傷など、その日の体調に配慮が必要な方

こういったことを見ながら、その日の体の状態に合わせて、毎日組み替えています。

親御さんが何番目に入っているかを、ご家族が知ることはたぶん一度もないと思います。
でも、その順番のうしろには、毎回これだけのことを見ている人間がいます。

浴室はひとつ。でも、男女が一緒になることはない

これは、聞きにくいけれど気になるところだと思います。

浴室はひとつですから、どうしているんだろう、と思われますよね。

脱衣場も浴室も、男女が一緒になることはありません。

ひとつの浴室を、時間で分けて使っています。
どちらが先になるかは、曜日で入れ替えることもあります。
今日の火曜日は男性から、次の火曜日は女性から、というふうに。

それから、介助に入るスタッフのこと。

私のいるところでは、男女どちらの利用者さんにも、介助に入るのは女性スタッフだけです。
ただ、ほかのデイサービスから移ってこられた方のお話をうかがうと、男性スタッフが介助に入るところもあるようです。

お風呂をいちばんの目的にされているのなら、ここは見学のときに確認して、希望を伝えていいところだと思います。

「今日はやめとく」と言われたとき

お風呂は、いちばん断られやすい時間でもあります。

「今はいいよ」
「今日はやめとく」

そう言われたら、一度は引き下がります。

そのあとお手洗いに立たれたときに、「そのままさっぱりしましょうか」とお誘いすることもあります。
別のスタッフがもう一度声をかけることもあります。

ただ、何度も食い下がることはしません。

嫌な感情が残らないことがいちばん大事なので、しつこくお誘いすることはありません。

お風呂に入っていただくことより、明日もここに来たいと思ってもらうことのほうが大事だからです。

入浴の分け方や介助の体制、どこまで配慮できるかは、事業所の方針やケアプランによって変わります。ここに書いたのは、私のいるところでのやり方です。気になることは、遠慮なく相談員さんに聞いてみてください。

デイに来て、いちばん驚いたのは食事でした

11時半ごろ、お口の体操が始まります。
食べる前に、口や舌を少し動かしておく時間です。

12時、昼食。

デイサービスで働き始めて、私が驚いたのは食事でした。

みなさん、本当によく食べます。

最初は「こんなに食べられるのかしら」と思ったのですが、90代の方が完食されることも珍しくありません。

家ではあまり食べないと心配しているご家族には、ぜひデイでの食事の様子を聞いてみてほしいと思います。

お昼のあとは、順番に口腔ケア。
歯みがきとうがいを、一人ずつ。
お薬を飲む方は、この前後になります。
お薬の管理については、また別にお伝えしますね。

おやつは、おかわりを聞かれます

食べかけのおせんべいとお茶。デイサービスのおやつの時間

おやつは15時前後。時間にすると15分ほどです。
おせんべいが数枚の日もあれば、ケーキが出る日も。

そしてこの時間、必ず出る言葉があります。
「おかわり!!」

お昼をあれだけ召し上がったあとで、です。笑

みなさん、甘いものが大好きなんですよね。
私はこの時間がとても好きです。

レクの時間に、こっそり見に来てもいいんです

輪になって手拍子をする手元。デイサービスのレクリエーションの時間

13時ごろから、体操や個別機能訓練。
そのあとがレクリエーションです。

パンフレットの写真では、みなさん輪になって笑っていますよね。
あれを見て、「うちの母は絶対に混ざれない」と思われた方も多いと思います。

正直にお伝えします。
あの写真、盛っていません。

そして、これはあまり知られていないかもしれません。
レクの時間に、ご家族がこっそり見にいらっしゃることがあります。

そして、だいたい同じことをおっしゃるんです。

読者さん
読者さん

家では全然動かないのに、ここではこんなに張り切ってるんだね

その顔は、家では出ないものだと思います。
一度、見にいらしてください。

ただ、行かれる前に相談員さんへ一言だけ。
事業所によって決まりは違いますし、その日の行事の都合もありますから。

帰って寝てしまうのは、無理もありません

15時半ごろから、帰りの支度が始まります。
帰宅前のお手洗いも、順番に。

そして16時、順番にバスへ乗り込んでいきます。

さて、ここで一日を振り返ってみてください。

8時ごろに家を出て、夕方に帰ってくる。
お風呂の順番も、ごはんの時間も決まっていて、おやつは15分。

家の午後に、こんな時間割はないですよね。
そのうえ、朝からずっと人の中にいます。

帰って夕ごはんの前に寝てしまうのも、無理はありません。
慣れるまでのあいだは、特に。

数回で慣れる方もいれば、しばらくかかる方もいます。
こればかりは本当に人それぞれです。

連絡帳は、レクの時間に書かれている

あの連絡帳は、みなさんがレクをされている時間に、その日のデイサービスを取り仕切っているスタッフが書いています。
あの欄に書ききれることは、そんなに多くありません。

疲れているのか、それとも何か嫌なことがあったのか分からないときは、電話をしてください。

山は、初日ではなく2回目

最後に、いちばんお伝えしたいことを。

慣れるまでの回数は人それぞれなのですが、私の経験では、ひとつだけ実感していることがあります。

初日より、2回目のほうが山です。

初回は、なんとか過ごせる方が多いんですね。
緊張していますし、周りも初めましてで気を遣ってくれますから。

問題はそのあとです。
2回目も、なんとかかんとか来られた方は、そのまま続くことが多いように感じています。
反対に、2回目に渋ったり、何か嫌な気持ちが残っていて「行かない」を選ばれた方は、その後お休みがちになってしまうことが多いんです。

2回目の朝に「行かない」と言われたら

そのままで大丈夫です。説得しなくていいんです。
とにかく、お迎えにだけ行かせてください。

不思議なもので、お迎えに行ってスタッフと顔を合わせると、気持ちが変わる方はたくさんいらっしゃいます。
車に乗るころには、けろっとしていることもあります。

今日は行くのか、行かないのか。
そこまで、ご家族だけで抱えなくて大丈夫です。

気になるようでしたら、お迎えの担当者に「今朝は渋っていました」と一言だけ伝えてみてください。

朝の玄関で、親子で言い合いにならなくていいんです。

こもれび
こもれび

そこは、こちらに任せてください。

一日の流れは、どこもだいたい同じです。
9時に始まって、お風呂に入って、ごはんを食べて、16時に帰る。

違うのは、その流れに乗れなかったときに、どうしてもらえるか。
順番を組み替えてもらえるか。断ったときに、嫌な気持ちが残らないか。

見学のときに時間割を見せてもらったら、そこまで聞いてみてください。

ご家族が見ていない7時間のあいだ、親御さんには家とは違う顔があります。

たいていの場合それは、家にいるときより少しだけ張り切った、いい顔です。🌿

今日のヒントが、少しでもお役に立てますように(看護師姿の猫のイラスト)


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