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認知症で口座凍結される?銀行員に聞いた本音と今できる備え

介護に役立つサービス・グッズ

「お母さん、最近ちょっとおかしいな…」

そんな変化に気づき始めた頃から、頭の片隅にじわっと浮かんでくることがありませんか。

「認知症になったら口座が凍結されるって聞いたけど、本当?」
「もし凍結されたら、介護費用ってどうやって引き出せばいいの?」

そんな不安を抱えたまま、誰にも聞けずにいる方は多いと思います。

読者さん
読者さん

調べれば調べるほど難しい言葉ばかり…。
成年後見制度?家族信託?
「うちには関係ないかな」って思いたいけど、でも心配で。

こもれび
こもれび

そのモヤモヤ、すごくわかります。
難しい制度の話より、まず「今の現実」を一緒に確認していきましょう。

私はデイサービスで勤務する現役看護師です。
介護の仕事をしていると知っている友人から「お金のこと、どうしたらいいんだろう」という声もよく聞きます。

気になって、実際に銀行の窓口に足を運んで確認してきました。

この記事では、


・口座凍結の現実
・2021年に変わったこと
・銀行員から聞いたリアルな話
・制度の正直な評価
・今すぐできる一番現実的な備え

をお伝えします。難しい制度の前に、「今日から動ける話」をしたいと思います。

認知症になったら本当に口座が凍結されるの?

結論からお伝えすると、「される場合がある」が正直なところです。

銀行としても、大切な預金を守る必要があるため、本人確認には慎重になります。

でも、本人の判断能力が著しく低下していると判断された場合、「本人の意思による取引かどうか確認できない」として、口座の取引を制限することがあります。

ただし──ここが大切なのですが──

「認知症と診断されたら即座に凍結」というわけではありません。

凍結のきっかけになりやすい場面は、主にこの2つです。

  • 窓口での言動で、判断能力の低下が明らかになったとき
  • 家族から「認知症なので管理をお願いしたい」と申告があったとき
読者さん
読者さん

え!診断書1枚で自動的に凍結されるわけじゃないの?
ちょっとだけ安心した…

こもれび
こもれび

そうなんです。「認知症=即凍結」は誤解なんですよね。
このことを知っているだけで、ずいぶん気持ちが楽になりますよね。

2021年に変わったこと──限定的な引き出しが認められるように

2021年2月、全国銀行協会が重要なガイドラインを発表しました。

わかりやすくまとめると、

「認知症などで判断能力が低下した方でも、医療費・介護費・日常生活費など「本人のためであることが明らか」な場合に限り、家族が代わりに引き出しに応じてもらえる場合がある」

というものです。

これは大きな変化でした。
それまでは「成年後見人がいなければ原則対応できない」という銀行がほとんどだったからです。

読者さん
読者さん

2021年に変わったなら、もう大丈夫ってこと?これで安心できる?

こもれび
こもれび

あくまで「ガイドライン(指針)」なので、法律ではないんです。実際の対応は各銀行・各窓口に委ねられていて…これがちょっとやっかいで。次で詳しく話しますね。

銀行窓口で聞いてわかったこと──担当者による、というリアル

実際に銀行の窓口に行って確認してみた話をさせてください。

「認知症の家族の口座から、介護費用を引き出せますか?」

この質問に対する答えは、正直なところ「担当者による」でした。

銀行には、預金者の資産を守るという大切な責任があります。その一方で、介護している家族の事情に寄り添いたいという本音もあるようです。

窓口の担当者が非常に誠実な方だと、規則通りに「成年後見制度をご利用ください」となることもあります。
でも実際には、「本当に介護のためのお金ですよね」と確認しながら柔軟に対応してくれる場合も多いと聞きました。

読者さん
読者さん

担当者によるって…それって運任せ?
毎月の介護費用が必要なのに、そんな不確かなこと怖すぎる。

こもれび
こもれび

そうですよね。
もちろん、どの銀行でも必ず柔軟対応してもらえるわけではありません。
だからこそ、「早めの準備」が大切になります。

3つの制度、正直なところをお伝えします

よく紹介される「財産管理の制度」について、現実的な視点で簡単にまとめます。

家族信託──資産がある家庭向け

本人の判断能力があるうちに、信頼できる家族に資産の管理を任せる仕組みです。成年後見制度より自由度が高いのがメリットですが、司法書士などの専門家への依頼が必要で、費用も数十万円かかるのが一般的です。

銀行窓口で確認した印象では、資産管理の必要性が高い家庭や、家族間のトラブル予防として活用されることが多いようでした。一般的なご家庭には、少しハードルが高いかもしれません。

とはいえ、「うちも検討すべき?」という方は、まず専門家に相談してみるのが一番です。費用や手順を聞くだけで、ぐっと見通しが立ちやすくなりますよ。

読者さん
読者さん

家族信託、うちも検討した方がいいのかな。でも費用がどのくらいかかるか不安で…相談するだけでいいなら聞いてみたい。

こもれび
こもれび

いきなり決めなくて大丈夫。
まずは話を聞いて、『うちに合いそうか』を整理する感じで
考えてみるといいですよ。

家族信託が必要かどうかも含めて、まずは話を聞いてみるだけでも安心材料になりますよ👇👇

家族信託のおやとこ

成年後見制度──凍結後の「最後の手段」

家庭裁判所が後見人を選んで財産を管理する公的な仕組みです。本人を守るチェック機能がある一方で、

  • 手続きが複雑で時間がかかる
  • 後見人への毎月の報酬コストがかかる
  • 自由に使えるお金が制限される

という面もあります。

現場での実感として、「口座が完全に凍結されてしまってから、やむなく利用する」というご家族が多い印象です。できればここに至る前に、動ける準備をしておきたいですね。

日常生活自立支援事業──資産が少ない家庭の選択肢

あまり知られていませんが、社会福祉協議会が提供するこのサービスも選択肢のひとつです。日常的な預金の出し入れや公共料金の支払いを、支援員がサポートしてくれます。費用は1回数百円〜と、他の制度に比べて手軽に利用できます。「資産はそれほど多くないけれど、管理が不安」という方に向いています。

3つの制度をざっくり比較するとこんな感じです。

制度こんな家庭向け費用感手軽さ
家族信託資産が多め・事前に備えたい数十万円〜
成年後見制度凍結後の最終手段数千円〜数万円〜
日常生活自立支援事業資産が少なめ・日常管理だけしたい1回数百円〜

今すぐできる、一番現実的な備え「代理人カード」

制度の話をしてきましたが、「難しそう、うちには関係ないかな」と感じた方もいるかもしれません。

そういう方にこそ知ってほしいのが、「代理人カード」です。

代理人カードとは?

口座の名義人(親)が、信頼できる家族に発行するキャッシュカードです。代理人として登録された家族は、

  • ATMでの現金引き出し
  • 振り込み

を、親の口座から代わりに行えるようになります。

「親のお金は親のもの」という形を保ちながら、日常的な管理をスムーズにサポートできるイメージです。カードの利用はATMでの入出金といった定型的な取引のみです。

ただし、代理人カードの発行条件は銀行によって異なります
原則として「同居している家族」が対象になるケースも多く、別居している場合は発行が難しいこともあります。

また、サービス名も銀行ごとに違い、「代理人カード」「代理人キャッシュカード」など名称が異なる場合があります。まずは利用している銀行に確認してみるのがおすすめです。

読者さん
読者さん

代理人カードって、なんか難しい手続きが必要そう…?

こもれび
こもれび

私自身、子どもの進学時には比較的スムーズに代理人カードを作れた経験があります。ですが、高齢の親のケースでは「本人確認」や「同居条件」がより慎重に確認される印象でした。
今すぐ動きやすい、現実的な備えのひとつです。

手続きの方法

必要なもの(銀行によるので確認してください)

  • 親本人の身分証明書(免許証・マイナンバーカードなど)
  • 親の口座の届出印(登録しているハンコ)
  • 代理人(子など)の身分証明書

手順
親本人と一緒に、口座のある銀行の窓口へ行くだけです。

申し込みから発行まで2週間〜1か月ほど。費用はほぼかかりません(無料〜1,000円程度)。

代理人カードを作るベストなタイミング

読者さん
読者さん

親はまだ元気だし、もう少し先でもいいかな…。
今すぐじゃなくてもいいよね?

こもれび
こもれび

実はその「もう少し先」が一番危険なんです!
申請には本人の意思確認が必要なので、認知症が進んでからでは作れません。
「まだ早いかな」と思うくらいが、ちょうどいいタイミングですよ。

ズバリ、「親がまだ元気なうち」です。

「まだ早いかな」と思うくらいのタイミングが、実はちょうどいいタイミングです。

正直にお伝えしておきたいこと

代理人カードは万能ではありません。

認知症がかなり進んで口座が凍結状態になると、代理人カードも同時に使えなくなる可能性があります。また、ATMでの操作が中心なので、定期預金の解約や大きな手続きには対応できません。

そして、代理人カードは各金融機関が個別の判断で提供しているサービスなので、すべての金融機関が発行しているわけではありません。まずは行きつけの銀行に確認してみてください。

それでも──

「今すぐ家族でできる、現実的な第一歩」としての価値は十分にあります。日常的な生活費の管理をスムーズにできるだけで、家族の負担は大きく変わります。

まとめ──「今度一緒に銀行に行こう」の一言が最大の備え

口座凍結の話は、どこか怖いイメージがあります。

でも現実は、

  • 2021年のガイドラインで、以前よりずっと柔軟になっている
  • 窓口での対応はグレーゾーンがある
  • 代理人カードという、シンプルで現実的な備えがある

という状況です。

複雑な制度を急いで調べるより、まず親と一緒に銀行に行って代理人カードを作る。
それだけで、「もしものとき」への備えは大きく変わります。

「今度、銀行に一緒に行こうか」

この一言を、今日の会話のどこかで言ってみてください。
それが、一番現実的で、一番大切な第一歩だと思います。

▶ 親のお金の話し合いの始め方はこちら
👉 認知症と家族のお金|お金の話を切り出す方法

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