便秘の「秘」は、秘密の「秘」と同じ字です。
便秘は、人に話しにくい。だから、ひとりで秘めてしまう。
ヨーグルトも、野菜も、ずっと続けてきた。なのに、この頃どうも出ない。お腹が張って、スカートがきつい。
「これって、更年期のせい?」
夜にひとりで、スマホで調べている方もいると思います。
これまで通りにしているのに、出なくなった。
それは、あなたのやり方が悪いからではありません。
先に、結論を書いておきますね。
- 女性は、年を重ねるほど便秘が増えやすくなります
- ただ、「更年期だから」で片づけないでください。血が混じる、急に変わった、理由なくやせた。そんなときは受診を
- 今までの対策が効かなくなったら、自分の腸との相性を確かめる段階かもしれません

私は、デイサービスで働く看護師です。
私自身は、更年期の便秘で悩んだ経験がありません。
だから今回は、身近な人に話を聞いてきました。
更年期に便秘が増えるのは、努力不足ではない
女性で、年齢を重ねるほど増えやすい
お医者さん向けの便秘の指針があります。日本消化管学会の「便通異常症診療ガイドライン2023」です。
そこには、便秘になりやすい人の特徴として、こう書かれています。
- 女性
- 年齢を重ねている
- 体を動かす量が少ない
女性は男性の約2倍、という海外のまとめもあるそうです。
女性が年を重ねて便秘になるのは、めずらしくないんです。
更年期は、自律神経がゆらぎやすい時期

更年期は、女性ホルモンが減っていく時期。自律神経も乱れやすくなる、と言われています(千葉県のページより)。
そして腸の動きにも、自律神経が関わっているんですよね。
私は図書館に行くと、なぜかトイレに行きたくなります。
好きな本がずらっと並んでいて、どれにしようか選んでいるとき。楽しくて、ほっとゆるんでいるときなんです。

それ、分かります!
本屋さんでも同じです。

リラックスすると、お腹が動き出すのかもしれません。
腸って、気持ちに正直なんですよね。
自律神経がゆらぐ時期に、お通じが変わっても不思議はありません。
ただ、ひとつだけ正直に書きます。
便秘の指針には、「更年期が原因」とは書かれていませんでした。
だからこそ、「更年期だから」で片づけないでほしいんです。
「様子を見ていい」と「受診したほうがいい」の分かれ目
便秘の裏に、別の病気が隠れていることもあります。先ほどの指針には、それを確かめる目安も載っていました。
こんな変化があれば、検診を待たずに受診を
| こんなとき | 目安 |
|---|---|
| お通じの様子が、急に変わった | 回数や便の形が、これまでと違う |
| 便に血が混じる | 少しでも気になったら |
| 理由がないのに、やせてきた | 半年で3kg以上 |
(便通異常症診療ガイドライン2023 CQ4-1より、代表的なものを抜粋)
国立がん研究センターも、受診を呼びかけています。便が細くなった、出しきれない感じがする。そんな変化も目安です。
50歳を過ぎて始まった便秘は、一度確かめる目安
50歳以上で始まった便秘も、念のため調べる目安のひとつとされています。
更年期の世代の方は、ちょうどここに当てはまりやすいんです。

え、50歳過ぎてからなんて、まさに私…。怖くなってきました。

怖がらせたいわけではないんです。
「更年期のせいかな」で終わらせずに、
一度確かめれば安心できる。
そのための目安です。
女性のがんで、亡くなる人がいちばん多いのは大腸がん
女性のがんで、亡くなる人がいちばん多いのは大腸がんです(2024年・国立がん研究センター)。
一生のうちに大腸がんになる女性は、13人に1人とされています。
大腸がん検診は、40歳から年に1回受けるよう、すすめられています。便を2日分とって出す検査。採るのは自宅でできます。
便を採るだけの検査ですが、あなどれません。
私のまわりには、この検査がきっかけでポリープが見つかった人がいます。
色のついた便器を使っていて、血が混じっていても気づけなかった人もいました。分かったのは、検査を受けてからです。

目で見て気づけないこともあるんです。
だからこの検査は、ぜひ受けてほしいと思っています。
症状がある方は、検診を待たずに受診してください。検診は、症状のない人のためのものです。
| あなたは今 | どうする? |
|---|---|
| 血が混じる・急に変わった・理由なくやせた | 検診を待たずに、病院へ |
| 50歳を過ぎてから便秘が始まった | 一度、病院で相談を |
| 特に気になる変化はない | 40歳からは、年1回の大腸がん検診を |
同じ食物繊維でも、合う人と合わない人がいる

ここからが、この記事でいちばん伝えたいことです。
「ごぼうで、かえって硬くなった」
60代の知人に、話を聞きました。若い頃から便秘がちで、4〜5日出ないのは当たり前だったそうです。
食べものは、いろいろ試したと言います。
| 試したもの | その方の感想 |
|---|---|
| ごぼうなど、すじっぽい野菜 | 合わなかった。かえって便が硬くなった |
| サツマイモ | 相性がよかった |
| 豆類(納豆、サラダのひよこ豆) | 相性がよかった |
| ヨーグルト | 合う・合わないが、すごくある |
※ひとりの方の体験です。同じ食べものでも、人によって感じ方はちがいます。

ごぼうって、便秘にいい食べものの代表ですよね?

そうなんです。体にいいはずのものが、その人には合わない。
私もこの話を聞いて、はっとしました。
指針にも「効くのは足りないときだけ」という報告が
先ほどの指針にも、こんな報告が載っていました。
- 食物繊維が効くのは、もともと足りていない場合だけ
- 日本人には、小麦よりお米や豆類の食物繊維が多い食事が合う
- ヨーグルトなどの乳酸菌食品も有効
どれも「そういう報告がある」という段階です。全員に当てはまると決まったわけではありません。
「体にいいもの」は、全員に同じように効くわけではない。
相性を確かめる段階に来た。それだけのことだと、私は思っています。
話しにくいから、ひとりで抱えやすい
今回、身近な人に「便秘のこと、聞いてもいい?」と声をかけてみました。
意外でした。困っている人が、思っていたよりずっと多かったんです。
50代の知人は、若い頃から今も便秘がちだそうです。
- 便秘薬は「最終手段」
- 今は、冷たい水をよく飲んでしのいでいる
これはその方のやり方です。冷たい水が合わない方もいるので、まねをするなら少しずつにしてくださいね。
みんな、調べずに試している
2人の話を聞いて、もうひとつ気づいたことがあります。
ふたりとも、腸内フローラ検査は受けていませんでした。食べものをあれこれ試して、合うものを探してきた。

私も、ずっと同じでした。
スーパーのヨーグルト売り場で、いつも立ち止まっていたんです。
試して、合わなくて、また試す。何年もかかることもあります。
当てずっぽうをやめて、自分の腸を確かめる
私は2026年5月に、腸内フローラ検査を受けました。便を少し採って送ると、腸にいる菌の種類が分かる検査です。
便秘で困っていたからではありません。いいと言われるものを、なんとなく食べ続けていた。その「なんとなく」から抜けたかったんです。
結果は、5段階の真ん中の「C」でした。発酵食品は食べているつもりだったので、少しショックでした。

検査したら、便秘が治るんですか?

治る検査ではないんです。
今の腸の状態を知る、答え合わせのようなものです。
ここは、はっきり書いておきます。
この検査で、自分に合う食べものがずばり分かるわけではありません。便秘の原因が分かる検査でもありません。
分かるのは、今の腸にどんな菌がいるか。そこから先は、自分で考える材料です。
| 分かること | 分からないこと |
|---|---|
| 今の腸に、どんな菌がどれくらいいるか | 便秘の原因 |
| 前回の検査と比べた変化 | 自分に合う食べものの正解 |
| 食生活を見直すヒント | 便秘が治るかどうか |
この検査が役に立つのは、こんな方だと思っています。
- 腸にいいことを、もう続けている
- でも手ごたえがなくて、何が合うのか自分では分からない
今までの対策が効かなくなった方は、ここに当てはまると思います。
逆に、これから腸活を始める方には、まだ早いかもしれません。比べるものが、まだないからです。
検査の正直な感想は、こちらに書きました。意味がある人と、まだ早い人の分かれ目もあります。
私は12月に、もう一度検査を受ける予定です。変わったか、変わらなかったか。結果はまたここに書きます。
まとめ
「便秘は女性の悩み」と言われるくらいです。人に言わずに、秘かに悩んでいる方も多いと思います。
ひとりで試して、ひとりでがっかりする。でも、体が変わって、合うものが変わっただけかもしれません。
まずは、ご自身の今を知るところから始めてみませんか。
- 何日おきに出ているか
- どんな便が出ているか(かたい・やわらかい・細いなど)
- 水分は、1日にどのくらいとっているか
- 3食の食事は、どんな傾向があるか
メモに書いてもいいですし、スマホで写真やスクショを残しておくのもいいですね。
全部はたいへんなら、今夜はひとつだけ。
お通じのことを、カレンダーに小さく書いてみてください。出た日に丸をつけるだけで大丈夫です。
病院で話すときにも、検査の結果と見比べるときにも。その丸が、あなたの味方になってくれます🌿
出典
- 日本消化管学会編「便通異常症診療ガイドライン2023―慢性便秘症」BQ3-2・CQ4-1・BQ5-2(Minds掲載)
- 国立がん研究センター がん情報サービス「最新がん統計」
- 国立がん研究センター がん情報サービス「大腸がん検診について」
- 国立がん研究センター中央病院「大腸がんの症状について」
- 千葉県「更年期障害について」

