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認知症で大声を出すのはなぜ?原因と対応介護者の心が少し軽くなるケア

こんな時どうする?(症状別)

「また大声…」

そう思うと、胸がぎゅっとすることはありませんか。

私の職場でも「大声」が出てしまう利用者さんがいます。
その声を聞く日と聞かない日では、正直なところ疲労感がまったく違います。

以前、言葉が体に与える影響についての実験を見たことがあります。
暴言を聞くと、自分に向けられていなくても体が緊張して動かなくなる、というもの。

そう考えると、毎日その声を受けている介護職の方やご家族は、
どれほど疲れてしまうだろうと想像します。

でも、大声は「わざと」ではなく、
認知症という病気の影響で起きていることも多いのです。

自分を責めたり、相手を嫌いになってしまう前に、
「なぜ起きるのか」を知っておくと、気持ちが少し楽になることがあります。

この記事では、

・認知症で大声が出る理由
・大声への対応方法
・介護する人の心を守るヒント

を紹介します。

理由が少しわかるだけでも、
ケア者の心が少し軽くなることがあります。

認知症で大声を出すのはなぜ?

認知症になると、脳の働き方が少し変わります。

特に、感情をコントロールする役割のある「前頭葉」の働きが弱くなるため、
感情がそのまま表に出やすくなることがあります。

また、言葉で自分の状態を説明することが難しくなり、
気持ちだけが強く外に出てしまうことも。

その結果、

・不安
・怒り
・混乱

といった感情が、「大声」という形で表れることがあります。

大声は、周囲を困らせようとしているわけではなく、
言葉にならない「心のSOS」のことも多いのです。

認知症で大声が出る主な原因

大声という行動の背景には、何かしらの理由があることが多いです。

代表的な原因をいくつか紹介します。

身体の不快(痛み・便秘・脱水)

体の不調があると、落ち着かなくなり大声が出ることがあります。

例えば

・便秘
・脱水
・体の痛み
・オムツの不快感

などです。

認知症が進むと、
「お腹が痛い」「のどが渇いた」と言葉で伝えることが難しくなることがあります。

そのため、不快感が大声として表れることがあります。

環境の刺激(音・光・人)

周囲の環境も大きく影響します。

例えば

・テレビの音が大きい
・他の利用者の声の刺激
・照明がまぶしい
・人が多くて落ち着かない

などです。

刺激が多い環境では、
不安や混乱が強まり、大声につながることがあります。

心理的な不安や孤独

認知症の方は、突然

「ここはどこ?」
「家に帰らなきゃ」

と不安になることがあります。

また、

・誰もいないと感じる孤独感
・退屈で落ち着かない気持ち

などが重なると、大声につながることがあります。

認知症の大声への対応 今日からできるケア

大声が続くと、介護する側もとても疲れてしまいます。

ここでは、現場でもよく行われている対応のヒントを紹介します。

強く反応しすぎない

大声を聞くと

「どうしたの?」
「静かにしてください」

とすぐに声をかけたくなりますよね。

でも、大声を出したときに周囲がすぐ反応すると、
「大声を出すと注目してもらえる」と無意識に学習してしまうことがあります。

そのため、

落ち着いているときに関わりを多くするよう意識し、
大声の場面では反応しない

という対応が役立つことがあります。

静かな見守りを意識する

大声にすぐ反応しないことは、
決して突き放しているわけではありません。

気持ちが高ぶっているときは、
そっと見守ることで落ち着くことが多いです。

見て見ぬ振りをするようにスルーするけど、
背中で”見守っているよ”というサイン。

身体の不快は取り除く


・便秘
・脱水
・体の痛み

特にいつもは大声を出さない人であれば、
この上記3つが原因のことが多いので、
観察してください。

場所を変えたり視界から遠ざけて刺激を減らす

環境の刺激が原因になっている場合は、
・場所を変える
・視界から遠ざける
と落ち着くことがあります。

例えば

「お茶を飲みましょうか」
「少しあちらで休みましょう」

と声をかけて、
静かな場所へ移動してみたり、
他者の大声に反応している時はその方を見えないように
椅子の向きを変えたり、一時的に視界を遮ったりします。

刺激が減ることで、
次第に気持ちが落ち着きます。

距離をとる(2メートルの魔法)

大声が出ているときは、
少し距離をとることも大切です。

真正面に立つと、相手はプレッシャーを感じることがあります。

・斜め
・少し離れた場所

などで見守ると、
落ち着くこともあります。

五感から“安心”を届ける

大声が続くときは、
別の「落ち着く刺激」を作る方法もあります。

例えば

・好きな音楽を小さく流す
・ゆったりとした声で話す
・背中をやさしくさする
・心地よいタオルや寝具をそばに置く

などです。

安心できる刺激があると、
気持ちが落ち着くことがあります。

介護者のストレスを減らす方法

大声を受け続けると、
介護する人の心も体も疲れてしまいます。

だからこそ、
自分を守る工夫も大切です。

例えば

・耳栓を使う
・ノイズ対策をする
・好きな香りを取り入れる

など、小さなセルフケアでも役立つことがあります。

介護は長く続くことが多いからこそ、
自分の心と体を守ることも大切です。

大声を受け続けると、介護者の神経はかなり疲れてしまいます。
そんな時は、音を完全に遮断するのではなく、
音を和らげる耳栓を使うのも一つの方法です👇

よくある質問 認知症の大声は止められる?

認知症による大声を、完全に止めることは難しい場合があります。

なぜなら、大声は「わざと」ではなく、
体の不快感や不安、環境の刺激などが重なって起きていることが多いからです。

しかし、

・体調を確認する
・刺激の少ない環境を作る
・安心できる関わりを増やす

といった工夫によって、
大声が減ったり、落ち着くこともあります。

「止めること」よりも、
大声が起きにくい環境を整えることが大切です。

まとめ 大声の背景には理由があります

認知症の方の大声には、必ず何かしらの理由があります。

体の不調や不快感。
環境の刺激。
不安や孤独。

そうした気持ちが、言葉ではなく「大声」として表れることがあります。

とはいえ、大声を受け続けることは
介護する側にとっても大きな負担です。

驚いたり、疲れたり、
「もう嫌だ」と感じてしまう日があっても不思議ではありません。

それは決して、心が冷たいからではありません。
体と心が自然に反応しているだけなのです。

「プロなんだから耐えなきゃ」と思わなくて大丈夫。
報知器の音がうるさい時に耳を塞ぎたくなるのは、当たり前の防衛本能なんですから。

大声の理由を知り、
少し対応の工夫を知ることで、
気持ちがほんの少し軽くなります。

そして何より大切なのは、
介護する人自身の心と体を守ることです。

受け止めきれない日があっても大丈夫。

あなたは、
もう十分がんばっています。

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